感想記

おたくの備忘録

FILM RED感想

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※ワンピの記憶が20年前くらいで止まってる人間の初見感想です
※ほぼウタちゃんのことしか話してない
※ネタバレ注意


ここ数ヶ月でハロウィンの花嫁をうん十回と見た分だけ、REDの予告も見てきたわけですが
もはや見た気になっていたレベルですが、マジで見にいくつもりはなかったんですよね。
でもネタバレをついったでちらほら見てたら、やっぱウタちゃんのこと気になっちゃってさ……。

フォロワさんがワンピミリしらでもお話はついていけたと仰ってたのと、
ちょうどいいタイミングで友人が誘ってくれたので行ってきました。
いやあ、予想と期待していた以上のものをお出しされましたねえ……。


夏休みの日曜ナメてて、飲み物買う行列に並んでたらうっかり冒頭5分くらい見逃してしまいました……不覚。
劇場に入ってそうそうに流れるライブシーン。
いやもうすごいな~!!IMAXのでかい画面、どこに目をやればいいかわかんなかった。

Adoさんのことも恥ずかしながらうっせえわしか知らなかったのですが印象覆ったな。歌唱力に殴られる。
曲もいいしそれぞれのライブシーンもすごく好き。
ペンラ振りたかったし応援上映がすごく映える映画だろうにご時勢がにくいな。
あれはもうウタちゃんのプリズムショーだったね……命を燃やした……。


彼女が闇落ちする(?)というのはネタバレで聞いてたんだけど
思ってたよりも経緯がえぐくて……目も当てられない、という感じなのに、狂気に染まった目も絶望の表情もサイコー……と思ってしまってすまない……。

どうすればよかったんだろうね。
家族に捨てられたと思っていて、たった一人残されたおっさんは隠し事からの後ろめたさで本当の意味では寄り添ってくれなかった。
誰もいない国で歌っていたら、ひょんなことから世界中から絶賛されて。
10年の虚無期間を経て、過剰なほどの承認が得られたらそれはもうそれだけで狂ってしまうよ。
みんなが喜んでくれる、幸せになってくれる、それが己の生きる意味で価値になっちゃうじゃん……。

そこらへん何だか、SNSが発達した故に生じた現代の闇も感じられて、他人事じゃないというかファンタジー世界ならではの出来事ではない、と思わせられるあたりがまた上手い……抉ってくる……。
加えてあらゆる推し(コンテンツ)に生かされてるおたくとしては、推しが見せてくれる夢に浸ってばかりいてはいけない、“きちんと”現実を生きてこそだろ、という現実を突き当てられたような心地でもあり……。
それはまあ……正論なんだろうけど……うーーーん。


さておき、帰る場所を失くしたウタちゃんには、もう帰らなきゃ!という観客の子どもたちの言葉がどれだけ残酷なことだったろうね。
何だか、みんなを幸せにしたいというのももちろんウソではなかったんだろうけど、結局はさびしかっただけなんじゃないかなあ。
置いていかないでと泣き叫んだ12年前のあの日から、精神性は変わらないままチカラだけは身につけてしまった、のか。

いやまあね、私は個人的に「かわいそう」という言葉が大嫌いなので、かわいそうがりたくはないんですが。
でもあのお話として、ウタちゃんの人生として、ウタちゃんの救いはシャンクスたち家族の元に帰ることだったわけで……。
その物語構造は、個人的にはあまり好みではない、かな……。
親に愛されなかった子どもの救いは親の承認しかない、というのはイヤったらイヤだから……おれは……。


ただ、完成度はすごく高かった……。
作中の時間と同じく、残り2時間しかなかったウタちゃんの命が咲き誇って散るときまで見届けられて、満足感と興奮と虚無感とやるせなさがないまぜになっても~~~~~~~!!!って感じです。
帰り道、車内でウタちゃんのアルバム流してたら、映画では聞き取れなかった歌詞を耳にして、思わず友人とそろってボロボロ泣いちゃったよ。
新時代、告知でもCMでも何度も聞いてたのに映画後だと感じ方が全然違う……すごい……。



以下はシャンクスの悪口なんですが。
いやもう少しやりようあったやろが~~~い!!!ってずっと友人と言い合ってた。
自分が全部悪いことにしてその場しのぎに真相隠したってのちのち拗れるだけなんだってどうしてわからないんだよーーーーーー!!!!!!!!CV池田さんの赤い人のそういうところほんとよくないよ~~~!!!!

こんなのワンピ版裏切りのステージだよお……と思ってしまったし、
ウタちゃんのモンペと化した友人からは「れいちゃん今まで(あむぴと赤井さんに対して)こんな気持ちだったんだね……今ならわかる……」と言われてわろた。
まさかワンピ映画見に行ってそこで共感寄せられるとはな……。

そしてまあ、この数ヶ月コナンにどっぷりなので、幼なじみへの湿度が……ない!!ということが逆に新鮮だったな……。
尾田先生、青山先生との対談で恋愛描写は得意ではないと仰ってたけど……コナンと違ってラブコメ漫画ではないもんなあ。


こう言ったら怒られるかもしれないけど、あんまりルフィが主人公してなかった気がする。私の感覚として。他の映画はどうかわからないしそもそも原作も見てたの遠い記憶なのであれなんですが。
それはたぶん、ウタちゃんがルフィの(幼なじみ系)ヒロインではなかったからだろうなあと思う。
歌姫でも、ルフィの幼なじみであるということよりも、シャンクスの娘である、というのがウタちゃんというキャラクターだったなって。
幼なじみ男女がヘキのおたくとしては少し残念だけど、先述の通りまあワンピはコナン(幼なじみ最強運命ラブ作品)ではないので……仕方ないね……。

でも最後のやりとりすごく良かったよね……。
表情が見えないルフィに、この帽子が似合う男になるんだぞ(あいまい)、って……。
その返事が最後の、俺は海賊王になる、なんだよね……。
いつものセリフの意味合いが変わる、そういうの好きです。


ウタちゃんの生死ってご想像にお任せしますなのかハッキリ決まってるのかどっちなんだろ。
死んでる方が美しいとはこれも信条として言いたくないけど、でもシャンクスたちと船の上で出会ったから、海の上でお別れするのは、あまりにも幕引きにふさわしいよな……。
ウタちゃんが最後の最期にずっと帰りかったところに帰れたのなら、もうそれでいいと思います。

とりあえずもっかい見に行きたいな……。